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東北縦貫線着工へ

 東海道本線と東北本線を結ぶ東北縦貫線が着工されました。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080530dde041020068000c.html

 この路線は東海道本線の東京駅と東北本線の上野駅を結び、山手線・京浜東北線の混雑緩和を図るためのものです。もともとこの区間は山手線・京浜東北線の線路の含めて東北本線の一部であり、山手線・京浜東北線とは別に東北本線・高崎線・常磐線専用の線路が存在していました。その線路を利用して「ひばり」「とき」などの東北・上越方面の特急が東京駅に乗り入れたこともあります。
 しかし、東北新幹線を東京に延ばすにあたって土地が必要になることから、この線路は撤去され、以後東北本線・高崎線・常磐線の列車は全列車上野で折り返しています。東北新幹線が東京まで延びた後でもいつでも復活できるように神田付近には新幹線が下・東北縦貫線が上になるように準備はされていました。

 本来であれば、東北新幹線東京駅を地下に置いておけば何の問題もなく東北本線・高崎線・常磐線列車を東京駅に持っていくことが可能であり、長野新幹線開業時に備えたホーム拡張による中央線の二重高架化、山手線・京浜東北線・東海道線の番線移動も必要ありませんでした。ですが、国鉄時代の計画では東海道新幹線と東北新幹線を直通させることになっており、そのために秋葉原付近で地上で上がる必要が生じました。東京開業後は東海道新幹線のダイヤに余裕がないこともあり、北へ向かう各新幹線と東海道新幹線の直通は行われていません。

 その一方で山手線・京浜東北線の東京~上野間の混雑は深刻であり、その解消が望まれていました。一方で二重高架になり騒音や日照権などの問題が出ることから神田付近で反対運動があり、なかなか前進しない状態がありました。

 これが完成すると東海道本線と東北本線・高崎線・常磐線の直通が可能になり、上野で各線から山手線・京浜東北線に乗り換えて東京・新橋・品川へ向かっていた人がこの路線へ移行します。また、常磐特急「スーパーひたち」「フレッシュひたち」も東京駅へ乗り入れさせることが可能になります。それだけではなく、車両の運用本数が減ることで田町~品川間にある車庫を縮小させることができ、その土地を使って再開発を行う計画もあります。上野駅も地上ホームを削減することができ、空いた土地に商業スペースを入れることも考えられます。
 ですが東京側は東海道本線一本なのに対し、上野側は東北本線・高崎線・常磐線と三本存在し、各線から何本東京駅へ入るかという問題があります。特に常磐線は上野で平面交差が生じることや交直両用車両が必要なことから本数に制約が出ると言われています。おそらく東北本線・高崎線は東海道本線と直通し、常磐線は上野折り返しが主体となるほか、直通列車は品川か大船あたりで折り返すことになるでしょう。