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岩泉線復旧断念へ


2010年7月の土砂災害以来運休が続いていた岩泉線ですが、復旧断念という話が出ています。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20120329_3
http://www.jreast.co.jp/press/2011/20120316.pdf
http://www.tetsudo.com/news/732/

元々岩泉線は特定地方交通線の指定を受ける路線でしたが、並行道路の不備により存続となった経緯があります。その後並行道路の整備は進んでいないものの、土砂災害以来バス路線運転のノウハウが蓄積されており、バス転換はさほど難しくなくなっているのではないかと思われます。

JR東日本の資料によると、岩泉線の輸送密度は46人/日となっており、今日廃止になる長電屋代線や十和田観光電鉄に比べても大幅に少なくなっています。首都圏や東北新幹線の収益で支えている状態が続いていましたが、土砂災害という復旧に資金の要る事業が加わったことが廃線につながったことになります。

岩泉線が存続するきっかけとなったのは並行道路のうち押角峠部分で急カーブ・急勾配が多く、自動車走行の際の難所になっていたことです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%BC%E8%A7%92%E5%B3%A0

岩泉線はこの区間は距離の長いトンネルで抜けています。この区間を道路に転用すれば大幅な道路事情改善になりそうです。

岩泉線の代行バスは並行道路を走れる小型バスとなっています。
http://tokutomimasaki.com/2011/08/18_trip_to_tohoku_2011_06.html
最近はコミュニティバスの台頭で小型バスによる定期一般路線の運行も多くなっており、並行道路が整備されていなくてもバス運行が可能になっているのではないかと考えられます。

今後懸念されるのは、同様に災害で一部区間が運休している只見線・山田線・大船渡線への影響でしょう。岩泉線の復旧断念をきっかけになし崩し的に廃線が進むことも考えられます。そのあたりの配慮が欲しいところですね。